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みゅう厨武 ~ミューチューブ~

昭和生まれの私が平成生まれの若者へ捧ぐ

記憶の定着 反復タイミングの最適化アプリAnkiが手放せない!

 これまで多くの脳科学や記憶術の本を読んできた。物事を効率的に覚え、忘れにくくするための手段を模索した。試行錯誤しながら様々なことに挑戦してみた。単語カードを作り、ゼブラのチェックシートに頼った。iPodを用いて音で覚えようとしたこともあれば、睡眠と記憶のタイミングにも配慮してみた。チョコレートや魚のDHAなど、脳によいと言われる食材に積極的に手を出しもした。しかしここ数年で自分なりの最適解がほぼ固まりつつある。スマホアプリ「Anki」の利用である。

 暗記は何も学生だけの所業ではない。業務上必要となる知識だけでなく、事業計画上の実績や目標値、取引先、関連部門の人の顔と名前など、覚えるべき事項は数多い。後で調べるのではなくその場で答える。顧客や社内の上司、幹部への即答が求められるビジネスシーンは非常に多いのだ。有能なビジネスパーソンほど求められる記憶のスキル。社会人にとって「記憶する」という行為は切っても切れない重要事項であると考えて欲しい。

 使い始めてかれこれ4年になる。毎日早朝の約90分を「Anki」に使っている。食事、睡眠、風呂と同じように、暗記も日々のルーチンの1つだ。出勤前の早朝のカフェ、電車、バス、信号等の待ち時間など、細切れの時間を使っている。休日も含めこの「Anki」のトレーニングをほぼ毎日行っているほど、非常に有用な記憶ツールと確信している次第だ。

 

1.反復のタイミングを「Anki」が最適化

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 エビングハウスの忘却曲線というのを聞いたことがあるかもしれない。物事を新しく覚えてから忘れるまでの時間と記憶量の関係を示したものだ。せっかく覚えても1日後には26%、1週間後には23%、1ヶ月後には21%しか記憶は保持されない。時間がたつほど忘却していくのである。しかし定期的な復習を試みると記憶の定着率は格段に上がる。これが「暗記は反復が命」と言われる所以である。

 では、いつ反復を行うべきか。様々な研究から、1回めの記憶作業から「直後」「1日後」「3日後」「7日後」「14日後」「30日後」というように、徐々にサイクルを長くしながら繰り返すことが効果的であることがわかっている。

 しかし事は簡単ではない。今、英単語を1000個覚えたいとしよう。当然同じ日に全てを覚え始めるわけではないから、反復のサイクルが単語ごとに異なってくる。また、同一日に反復し、覚えていた単語と忘れていた単語。双方に次回の反復のタイミングに差が生じる。つまり、理想的な反復のタイミングは、単語ごとに完全にバラバラになるのが結論なのだ。これを完全に管理してくれるのが「Anki」である。もう自分で反復のタイミングを考える必要は一切ない。

 

2.抜群の操作感 反復作業も短時間で完了可能

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 英単語暗記の例である。英単語を見て、頭の中で正答となる和訳を思い浮かべる。「解答を表示」をタッチして正解を確認する。正しかったならば「2.2年簡単」を、誤っていたならば「<10分 もう一度」をタッチして次の単語へ行く。この繰り返しとなる。私の場合、定着が進み反復も慣れたものであると、1問につき1秒以内で進むようなリズムにまで進行を加速できる。操作性も抜群だ。

 ちなみに「2.2年」とは、「Anki」が次は2.2年後に覚えてるか聞きますよという意味だ。「Anki」がこの単語はもう十分記憶に定着していると判断しているため、次の反復までの期間がずっと先なのだ。まだ定着していなければ、10分後、1日後、7日後というように、近々の日程が指定されるだろう。また「Anki」が十分定着していると判断していても、自分自身まだまだと感じるならば、「1.7年普通」や「8.4ヶ月難しい」をタッチし、次の反復時期をあえて短めにするのもよい。カンで正解してしまったときなど、記憶が怪しいと感じるときによく使う。要は単語ごとに「Anki」の指示に従った時期に必要な分だけを効率よく学習できる仕組みになっている。

 覚える量が膨大になってくると、忘却させないために、毎日全てを反復させるというのは、時間的に考えても非現実的だ。だからこそ、その日にこそ反復すべきものに絞るべきなのだ、その日にやるべきでないものは避けるべきなのだ。「Anki」は最適なタイミングで必要最小限のものを選定してくれるだろう。

 

3.他のアプリより「Anki」が優れている理由

 今から15年ほど前、「記憶力を強くする 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方」という著書を読んで感銘を受けて以来、脳科学や記憶術に興味を抱いた。今でも記憶に関する良書として自信を持っておすすめできる一冊だ。記憶の理屈が素人にもよくわかるだろう。最近Kindle版ではあるが久しぶりに購入し、読みなおしたほどだ。著者の池谷裕二先生の著書は他のものも含め数冊読んだが、何より池谷先生が監修した暗記アプリ「i暗記」がリリースされ、ここぞとばかりに使用していた時期がある。ライトに使うならこちらもおすすめだ。他にも「zuknow」など優秀な様々な暗記アプリがある。しかし本格的にやり込むならば、「Anki」はどのアプリよりも遥か上を行っていると言えるだろう。主だった理由を幾つか挙げてみたい。

 1つめは、パソコンとの連携である。Dropboxとの相性もよく、データファイルの同期化が非常にスムーズだ。暗記事項が多く、元となるデータファイルが大きくなる場合、作成はスマホよりパソコンが勝る。そのためパソコンとスマホのファイル連携は非常に重要だ。また、進捗状況の管理も同期化できるため、スマホとパソコンを併用して進めていくことにも何ら問題がない。

 2つめは、テキストだけでなく音声や画像も対象にできること。語学勉強などでは発音やアクセントが要になることも多く音声は重宝される。業務上でも図やグラフをスキャンし補足画像を添えて覚えることも多く、非常に高機能であることも魅力の1つだ。

 3つめは、カスタマイズが柔軟なことだ。文字のフォントサイズ変更など見た目はもちろんのこと、定着率の低いもののみ集中的に反復させるといったトレーニング方法の調整、反復間隔や忘却時間の細かい設定変更も可能だ。現在も定期的にバージョンアップが行われており、開発者のサポート体制もなかなか手厚い。

 

4.社会人としての「Anki」の活用手段・活用実績

 学生にとって、社会人がいったい何の暗記をする必要があるのか疑問に思うのではないだろうか。私の場合、事業計画(収支・利益)、社内サービス・商品知識、関連部署の人及び業務内容、社内外資格の勉強、雑談のネタなど多岐に渡っている。要は頭の中のストックを多くしておくこと、かつ即答できるレベルになること。これを第一目標とし、インプットとアウトプットのトレーニングを「Anki」で根気よく実施するのだ。

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 こちらは「Anki」にて集計されている私の現在の習得状況である。私が現在覚えたいと考え登録したもののうち、15,695個は完全に覚え、2,913個はまだ定着が不十分という結果である。これだけの量が記憶として定着できることを知って欲しい。英単語の数千といったレベルでひるんではいけない。それを効率的に実現させるのが「Anki」なのだ。もちろんまだ幾らでも増やせるし、人生の糧にすべく今後も増強していくつもりだ。

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 こちらが日々の反復量である。コンスタントに300~400個くらいを毎日反復させている。休みの日などは多く反復することもあり、グラフの「-10」の1,600超えは今月のゴールデンウィークの5月5日。外出時の待ち時間等でほぼ1日やり続けた結果である。もう数年続けているが、今後も継続していくことは間違いない。

 

 

 

 記憶の定着をより有用なものにするために、最後に少し、私の活用の経験を踏まえて「Anki」を使い続ける上での補足をして終わろうと思う。

5.準備の簡略化

 英単語を覚えるために英単語帳が必要なように、記憶したい元となるデータが必要である。「Anki」への登録作業だ。この作業に時間をかけてはいけない。

 例えば、試験が1ヶ月後にあるのに、登録作業に1週間も2週間もかけるのは本末転倒だ。覚えることが目的なのだから、登録作業ではなく記憶作業に時間を割かなければならない。英単語を1個1個ひたすら打ち込むとか、無意味とは言わないが生産性が著しく低い。やめるべきだ。

5-1.DUO3.0

 有名な英単語帳「DUO3.0」の例を挙げよう。

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 「Anki」にはWeb上に共有されたデータベースがあり、様々な暗記の元となるデータがある。DUO3.0は有名であるため、既にある。ダウンロードして終わりだ。自作する必要はない。

 

 しかし、自作しなければいけないケースもあるだろう。対象の数が少なければよいが、多い場合、時間をかけないやり方を考える必要がある。私の場合、これまで万を超える量を作成してきたが、量の多いケースではほぼ一貫して以下の手法をとっている。

5-2.音声テキスト化ソフトの利用

 打つのではく、しゃべってテキスト化する。音声テキスト化は無料アプリにもあるが、私がその精度に信頼をおいているのは、有料ソフトウエアの「ドラゴンスピーチ」である。

 音声の特徴を認識し、繰り返し使用するほど自己学習し認識精度が上がる。キーボードによる打ち込みより圧倒的に速く、特に議事録作成でその効果は大きく感じている。

5-3.スキャナのOCR機能の利用

 私は書籍の自炊をよく行う。書籍の全ページを電子的にスキャンし、PDFファイルとして保管、閲覧することを自炊という。このスキャンに絶大な威力を発揮するのが「ドキュメントスキャナ」である。

 スキャン時に設定できるOCR機能(画像のテキスト化機能)により、テキスト化するのである。用語集でも英語の例文集でも、まるまるスキャンしてOCR機能でテキストを抽出する方が俄然速い。私が使っているのは1つ前のモデル(生産終了)であるが、21世紀に購入したお役立ち品の中で、トップ3に入るくらい利便性の高い製品がこれだ。

5-4.文字補正はランサーズへ外注する

 「ドラゴンスピーチ」でも「ドキュメントスキャナ」でも同じだが、テキストの誤読取が若干ではあるが発生する。例えば「1」と「l」、「一」と「-」、「二」と「ニ」など、画像的に類似していると文字選定に誤りが発生しやすい。この補正作業は丹念に目で確認しながら行う必要があるが、自分でやる必要はない。外注しよう。ランサーズへ。

 簡易な単純作業はランサーズへ依頼するに限る。「文字起こし」という分野があり、得意とするランサーがたくさんいる。量にもよるが、外食のランチ1回分程度で請け負ってもらえるだろう。時は金なり。時間を金で買うのである。

 

 以上、テキスト化を労力をかけずに作成しよう。そしてデータを一括で「Anki」へインポートすれば準備は終わりだ。「Anki」でのトレーニングに時間を費やそう。

 

6.覚えたいことは「Anki」に全て集約する

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 テキスト、画像、音声いずれも扱うことが可能なため、暗記に関するかなりのことが「Anki」で完結できる。逆に言えば、「Anki」で可能にも関わらず、単語カードやチェックシートの活用など、複数の手法を併用するのは非効率だ。全て「Anki」に集約し、暗記すべきものを一元管理しよう。私はこのように、仕事もプライベートも関係なく同じ扱いにしている。その日に「Anki」で反復を指示されたものだけをやり遂げれば、他を気にすることなく万全だという安心感が得られるようになる。

 

7.「Anki」は自宅の机でやらない

 「Anki」はパソコンでなくスマホで使うことに最も意義があると考えている。持論だが、暗記というのは机に向かって座ってやるものではない。机の利用は紙と鉛筆が必要な作業に留めたい。休憩時間であったり、通勤通学途中の電車やバスの待ち時間であったり、細切れの隙間時間を使って実施しよう。長い時間を使いまとめて覚えるよりも、細切れの時間を使って少しづつ覚える方が定着率が高いという論文も存在する。屋内ではなく屋外で記憶も効果は高い。スマホによりそれら全てが実現できるのだ。

 

 

 

 時間のない社会人であっても、隙間時間のスマホでの「Anki」により、いくらでも記憶の定着作業はしていけるということだ。仕事も家庭も両立しつつ、資格取得や研鑽のための勉強をしていくことも十分できるのだ。特別な時間は必要ない。以下よりダウンロードして、「Anki」による自分磨きを始めてみてはいかがだろうか。覚えることに苦手意識を持っていた人ほど、「Anki」よる記憶が楽しく、夢中になれるものであるに違いない。きっと手放せないアプリの1つになるだろう。

Android用
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iPhone用(有料)
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PC用
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