みゅう厨武 ~ミューチューブ~

昭和生まれの私が平成生まれの若者へ捧ぐ

じゃんけんのあいこの確率 2人でも3人でも同じである!? ○か×か?

 アメリカ横断ウルトラクイズという番組をご存知だろうか。若い人は知らないかもしれないが、我々40代以上くらいの年代の人はきっと覚えているはずだ。昔はクイズ番組の優勝賞品といえば海外旅行が定番であったが、賞品としてではなく直に海外を旅しながらクイズで競い合い、ニューヨークを目指すという斬新かつ壮大なドキュメンタリー番組だった。参加資格は18歳以上60歳以下であり、自分が18歳になったら必ず出場しようと考えていた。しかし1992年の第16回大会を最後に放送が終了してしまい、私が大学1年になったときには既に番組は消滅。非常に落胆したものだ。しかし、1998年に1回限りで復活。胸踊らせて東京ドーム第1次予選へ行ったのを今でも忘れない。

 予選で私は早々に敗れてしまったが、その後の出題の中で非常に印象に残った問題がある。

「2人でじゃんけんをしても、3人でじゃんけんをしても、あいこの確率は同じである!? ○か×か?」
である。中学や高校で数学をがっつり勉強した人であれば、簡単に計算してそれぞれの確率を求めることができるだろう。しかし、予選ではそんな計算をする時間もなければ、紙や鉛筆もない。答えは「○」か「×」かの二者択一である。あなたは正確に答えをこの短時間で導くことができるだろうか。

 

 私はこの問題を初めて聞いたとき、「×」に決まっていると思った。じゃんけんは、その人数が多くなればなるほど、あいこになる確率が高くなるのは直感的にも明らかだ。例えば、2人でじゃんけんをやればすぐに勝敗が決まるだろう。しかし10人でやれば、あいこが連続で続き、勝敗がなかなか決まらない。2人のときと3人のときで、あいこになる確率が同じわけがないだろう。数学的な感覚を持っている人ほど「×」を選ぶのではないかと思う。

 しかし正解は「○」。まさかと思った。

 

確率とは、以下で求まる。

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今回の場合、すべての場合の数とは「じゃんけんの全パターン数」、求める場合の数とは「あいこになる全パターン数」である。

 

2人でじゃんけんをしてあいこになる確率をP(2)とするならば、

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である。約33.3%であいこになるということだ。これは以下のように、全9(3の2乗)パターンのうち、あいこになるパターンが3つあることを意味する。

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3人でじゃんけんをしてあいこになる確率をP(3)とするならば、
 

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である。まさかの同じ確率である。同様に、あいこになるパターンは以下の通りだ。f:id:MyuTube:20160505125446j:plain

同様の考え方を続けていくと、じゃんけんを4人でしたとき、5人でしたときなども、もちろん簡単にわかる。じゃんけんをi人でしたときの確率をP(i)とすると、
 P(2)は、33.3%
 P(3)は、33.3%
 P(4)は、48.1%
 P(5)は、63.0%
 P(6)は、74.5%
 P(7)は、82.7%
 P(8)は、88.4%
 P(9)は、92.2%
 P(10)は、94.8%
となる。人数が増えれば増えるほどあいこになる確率が高くなるという傾向は間違っていない。しかし2人のときと3人のときだけは差がなく、全く同じ確率なのである。

 

 有識者に言わせると、クイズの問題にするからには、必ずその答えにインパクトがないといけないのだという。ましてテレビで放送されるような問題である場合、答えに意外性が必要なのは当然と言えるかもしれない。見事に裏をかいてくれた良問だったと思う。予選敗退者としてこの問題に接していたからよかったが、コマを進め、あと一歩で予選突破というところでこの問題に接していたら、泣くに泣けない結果になっていたことだろう。さすがウルトラクイズ。昭和が生んだ史上最大のクイズ番組だったと懐かしく思う。