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みゅう厨武 ~ミューチューブ~

昭和生まれの私が平成生まれの若者へ捧ぐ

ランサーズ 依頼者から見た、選ばれる提案と選ばれない提案

 私はランサーズのヘビーユーザーである。使用歴は5年を超える。ランサーズの使い方として、大きく「仕事をする」と「仕事を頼む」の2種類があるが、私は100%後者であり、仕事を依頼し、成果に対し報酬を支払う側である。依頼回数は200回を超え、支払い総額は100万円以上。個別案件ごとでは、1件数百円程度のものから10万円を超える案件もあった。私の主たる依頼はテキストの打ち込みだ。「文字起こし」と言われ。音声や手書きメモなどを電子的にテキスト化してもらう作業である。その他にも、パワポ資料作成、英語の翻訳、Excelの簡易マクロ作成、スキャン画像のOCR補正、Web情報収集、電話予約代行など、多数の依頼経験がある。いずれも個人的な趣味の範囲内に閉じるが、単純作業でありながら労力を要するものは適宜依頼している。非常に便利なサービスであり、長く活用させていただいている次第だ。

 

 依頼を行うと、毎回非常に多くの提案を受ける。以下の画像は過去に実際に依頼したもののごく一部である。実際に受けた提案数を参考までに紹介したい。
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 各依頼ごとに、たった1つの提案が選定される。仕事を受ける側にとっては非常に狭き門だ。単純作業系(誰でもできる系)の案件だと、過酷な競争を勝ち抜いたごく僅かな人しか仕事を受注できない。ハイレベルな価格競争が起きているのだ。だから、ランサーズは依頼する側には非常に便利と感じるが、受ける側は本当に過酷と思う。クラウドソーシングだけで生活費を賄うことは、まだまだ難しいだろう。

 私が伝えたいのは、依頼側の立場として、どのような提案を選んでいるかである。長く依頼を経験する中で、このような人、このような提案は絶対に選ばない、という基準も自然とできあがった。これからクラウドソーシングでの仕事を考えている人、既に始めている人へ、少しでも参考になれば幸いである。

 

1.最も重要なのは、見積額が安価であること

 依頼側は、間違いなく最初に見積額を見る。いかに安く受けてもらえるか。あたりまえだが最も重要視される点である。就活で「学歴フィルター」という言葉がよく話題になる。無名大学の学生は見向きもされず、説明会のエントリーすらできないことであるが、これと同じで「見積額フィルター」は間違いなく存在する。どんなに素晴らしい提案内容だったとしても、見積額が高ければ、提案すら全く見向きもされず、候補から除外されてしまっていることを知ってほしい。

 

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 ある依頼で、121件の提案を受けた。このうち最も安価な見積額は1,350円であり、3人が並んでいた。

 

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 この案件で、最も高価な見積額はいくらだったか。131,112円である。同じ案件の見積額にも関わらず、約100倍の違いがある。これを見て、131,112円の提案を選ぶ理由があるだろうか。全くないのである。重要なのは、このとき提案内容すら見向きもされていないということだ。

 では依頼者はどの提案まで見るのだろうか。せいぜい見るのは、最安値の1,350円で提示のあった3つのみである。残りの118件の提案は内容を全く見ていない。これが実際である。

 このように、提案者により見積額に大きな幅があるのは、実は毎回のことである。おそらく提案者には2種類おり、これ以上少ない報酬では受けれないと考え、受注できないことが想定の範囲内の人。もう1つは、受注したいが見積額の相場がわかっていない人である。見積額の幅の広さが相場を把握することの難しさを物語っている。このような誰がやっても品質に差がでにくい単純作業系の依頼の場合、ものすごい価格競争が起こっていると考えて欲しい。要する稼動に対し割に合わない額で提案している人が、受注を勝ち取っていることを知っていただきたい。

 ちなみに、見積額として設定できる最安値は以下である。

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 見積額はランサーズでは、「報酬金額」とか「クライアント支払い金額」という言葉で表現される。わかりにくいが、
仕事をする側(提案者)は、222円で設定
これが最安値設定の答えである。こうすると、仕事を依頼する側(依頼者)は、最終的に支払う金額(クライアント支払い金額税込)が300円となる。ランサーズでは300円が支払う最低価格というルールになっている。見積額を0円や1円に設定できるかは未確認だが、できたとしても払う側は最低300円なので、設定できても差別化は図れない。見積額の設定が0円でも1円でも222円でも、依頼者には支払金額が300円で表示されるはずだ。最安値の222円で提案すれば、価格競争にはひとまず勝ったと言えるだろう。

 

2.実績は0ではなく1以上が理想 でも実績0でも選ぶことはある

 同じ提案額が複数合った場合、提案者が過去にどのような実績があり、どのような評価を受けているかを参考にする。実績0だと、どのように仕事を進めてくれるか、最後までやり遂げてくれるかといった判断材料がないため、1以上は欲しい。2桁や3桁の実績があれば十分他者との差別化になる。しかし、実績0の人を常に避けるかというと、そうでもない。単純作業系の依頼の場合、失敗されるリスクが低く、品質の差も生じにくいため、見積額が安価で優位性が高ければ、実績0でも選ぶ。では候補となる実績0の人が複数いたら、決め手は何になるのか。

 1つめは、他案件の提案状況である。 

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 提案者が自分の依頼以外にどのような案件に提案を行っているか。これはこのように簡単に確認できる。提案件数がやたら多かったり、提案分野に統一性がないなど、とにかく受注したい一心という感のある人は、避ける場合がある。これはその人の得意分野が定まっていないことを意味し、他者より品質の低いものを納品される可能性があるからだ。

 2つめは、登録状況である。

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 認証状況が「未」のものが多かったり、登録日が最近すぎる場合は、経験が浅すぎると考え、敬遠することが多い。

 3つめは、やはり提案内容である。提案内容に関しては、次の大項目で触れる。

 

3.提案内容は必ず依頼者にとってのメリットのみを示す

 我々依頼者にとってはコスト(見積額)がやはり重要であるため、提案内容は2の次、3の次となってくる。しかし、コストよりも提案内容を重視し選定したケースもいくつかある。

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 例えばこの場合、5件の提案をもらい、最安値は27,000円で2人いたが、結果的には3番手の35,100円の提案を選ばせてもらった。単純作業系ではなくコンサル的な内容を含み、高いスキルが求められ、また長期の取り組みが予想される依頼であったため、提案内容を十分吟味し、最も期待度の高い提案者を選定した結果である。それとは逆に、他の提案が期待できなかったという理由もなくはない。これまで1,000件以上の様々な人からの提案を受けてきたが、提案内容でこれを書いていたらNG、落選確定という基準が私の中でできている。端的に言えば、
「自分の都合や事情ばかり書いている提案は即落選」
なのである。私の場合、一言でも書いてあれば候補から除外している。

 

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 このように自分の稼動を説明してくる人は意外と多い。しかし依頼者にとって重要なのは納期に間に合うかだけである。提案者に作業時間が膨大にあろうが極少であろうが、納期に間に合うならば、依頼者には全く不要な情報である。むしろ、時間がないという逆アピールになっていること、何よりこの提案者は自分目線であり依頼者目線にたてない人と判断し、候補から外している。期限までに問題なく納品できることをアピールすべきなのだ。

 

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 「頑張ります」とか「自信があります」というアピールの仕方をしてくる人は非常に多い。提案内容にこれだけしか書いていない人すらいる。しかし、これらが選定の決め手に全然ならないことは、依頼者の立場を考えていただければすぐわかると思う。即除外だ。納期だったり品質を守ることは当然のことであり、ここで伝えるべきことではない。精神論を述べるのではなく、プロジェクトの着手から納品までのスケジュール、手法等を具体的に示してくるべきなのだ。

 

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 見積額の根拠を力説してくる人も多い。しかし、依頼者が気にするのは総額である。総額は提案内容に記載されてなくてもわかる情報だ。いくら根拠が妥当であっても、他により安価な提案があれば負けてしまう。報酬額を提案内容で言及すること自体が、完全に自分目線なのである。依頼者目線に立てていないし、依頼者が本当に欲しい情報では全くない。このような提案も×なのだ。

 

 ジャパネットたかたの高田前社長は、商品が売れることによる会社のメリットではなく、商品を買うことによるお客様のメリットを伝えることが非常に上手だった。これと似ている。「提案内容で依頼者のメリットが伝わっているか」だ。仕事を任せられる人というのは、依頼者のメリットを最優先に考えている人だ。提案者のメリットを伝える必要など全くないのである。


最後に

 ランサーズの場合、依頼者に比べて提案者は非常に立場が弱く、受注できたとしても納品まで苦しい立場なのは変わらないだろう。よほど高度な技術を持ち合わせ、提供できるだけのスキルがない限り、稼動に見合った報酬をランサーズだけで得ることは限りなく難しいはずだ。しかし、副業として、もしくはちょっとした小遣い稼ぎとして、また自分自身のスキルアップとしてランサーズを利用するならば、提案者側だったとしても、非常に有用なサービスと思う。なかなかわかりにくい提案者側の現状の厳しい側面を少しでも知った上で上手く活用していただければ、私としてもこの上ない喜びである。

 

www.lancers.jp